グルメ Gourmet
【富山のそば】創業百年以上のそばの名店
|もくじ|
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野花そば処 つるや本店
創業 大正12年
長野の製粉所から仕入れ製麺した、昔と変わらぬ二八そば。合鴨のもも肉のスライスを使った「鴨せいろ」(1,250円)は、茹でたあと麺を一度冷水で締め、鴨の脂でさらに甘みを増したあたたかいつゆにつけていただく人気の一杯。
4代目の澤田美喜さんとスタッフの王さん。おいしくて滋味深いそばで、お客さんの健康に寄与したいと思いを込めて接客している。
民藝と野花とそばを愛で
富山のまちなかで一世紀
大正12年に富山市の小島町で創業し、戦後は総曲輪を本店として市民のお腹を満たしてきた『つるや』。素朴で滋味深いそばと店づくりには相通じるものがあり、3代目の好みが生かされた民藝家具や器、そして4代目の美喜さんが生ける野の花に心が和みます。
平日の来店客はサラリーマンやOLが多く、土・日曜は家族連れが増えるそう。歴史があるだけに、孫を連れて3代でやってくる常連さんもいて、その幸せな家族の風景は昔から変わりません。ちなみに大晦日は、通常よりも1時間早く開店し、年越しそばがなくなり次第店じまいするとのこと。4代目として店に立ち始めてまだ日が浅い美喜さんだが、「絶対やめないでね」と声をかけられることも多いそうで、百二年目の新年も暖簾をしっかりと守っていく。
ゴマ油で炒めてから煮込んだ根菜が風味豊かな「けんちんそば」(1,200円)。3代目の勝英さんが40年前に考案した冬季限定メニュー。
茹でたてのそばをいち早く席へ届けるため、約10人の従業員が厨房と店内を忙しく往来する。
間口はあまり広くないが、奥へと伸びる店内には、カウンター、テーブル、小上がり合わせて56席。やわらかな照明に心が落ち着く。
野花そば処 つるや本店
富山市総曲輪2-8-15
TEL:076-421-2908
営: 11:00~15:00(LO14:40)
休: 水曜、第3木曜、1/1~3
P:近隣のコインパーキング利用
席:カウンター9席、テーブル29席、小上がり18席
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蕎麦懐石 松屋
創業 大正元年
温度、湿度に応じて水の量や打ち方を加減しながら、その日一番おいしいそばを提供する。実の芯のみを挽く「さらしな」、殻ごとに挽く「田舎」、定番の「二八」を揃えるほか、季節によって変わりそばが登場する楽しみも。一番人気のさらしなは、白く透き通るような美しさ。やさしい甘みを感じるだしつゆは創業以来、地元の城端しょう油にこだわり、変わらない味を守り続ける。
古い街並みが残る現在地に店を構えて20年。休日には、県内外のお気に入りのそばやうどんの店に足を運ぶという研究熱心な店主夫妻。
木彫りのまちで愛され百十二年
伝統を守り繋ぐ本格手打ちそば
歴史は大正元年、瑞泉寺の参道である八日町通りで、初代が開いた手打ちうどん店から始まります。東京で腕を磨いた本格手打ち麺は当時の井波界隈でめずらしがられ、その後、ごはんもののメニューも充実させながら、地元で親しまれてきました。
両親らが切り盛りする姿を見て育った4代目の当主は、跡を継ぐため割烹で和食の修業に励むなか、「自分の代で新しいことを始めたい」と独学でそば打ちを究めてきました。北海道産の玄そばを使い、日々丹精を込めて打っています。艶やかでのど越しの良い細麺を求めて、市外から訪れるファンも多いです。井波ゆかりの作家、池波正太郎氏にちなんだ会席料理も人気。先代からの多彩なメニューも、しっかりと受け継いでいます。
築150年という古民家を改築した店内。太い梁や柱が見える天井や囲炉裏、座敷の重厚な欄間の造りに歴史を感じる。
蕎麦懐石 松屋
南砺市井波3599
TEL:0763-82-0047
営: 11:00~14:00、17:00~20:00(LO19:30)
休: 不定休
P:なし ※近隣に市営駐車場あり
席:テーブル22席、座敷30席
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大黒や
創業 明治28年
厳選した国産石挽そば粉の手打ちそばを、丁寧に仕込んだ国産鴨肉が入った出汁つゆでいただく「鴨せいろ」(1600円) ※+200円で特選そばに変更可。風味豊かなそば、上品な脂のうまみがのった鴨肉、ほどよく甘みのあるネギの絡み具合が絶妙な5代目の自信作。
※特選そばの提供は水曜と日曜のみ
5代目として店に立つ吉田大晃さん。修業時代の経験をもとに、少しずつ東京の名店のようなそば屋の楽しみ方を提案していきたいという。
地元に愛されるそば屋として
百三十年の先も暖簾を守りつなぐ
明治28年富山市総曲輪で創業し、まもなく百三十年を迎える老舗のそば屋『大黒や』。屋号は神通川の氾濫で店の軒下に大黒様の鋳型が流れ着いたことに由来します。そば以外にも豊富なメニューを取り揃え地元に愛された店は、山王まつりの日には「大黒やで待ち合わせ」というのが定番だったとか。以来、形を変えつつも暖簾は守られ、現在5代目が店に立つ。東京の名店で修業した5代目がこだわるのは、厳選した国産そば粉を使った手打ちと、冬はカニを使うなど季節を感じさせるそば。暖簾を守りつなげていくことは決して楽な道ではないが、来る人たちの「おいしかった」という笑顔を励みに使命を果たしていきたいと話します。
ショッピングセンターの一角にある店は、誰もが入りやすい雰囲気。一人でゆっくり、家族でワイワイ。いろんなシーンでそばを楽しもう。
大黒や
富山市稲荷元町2-11-1 アピア1F
TEL:076-445-3146
営:10:30~20:00(LO19:00)
休: アピアに準ずる
P:あり
席:カウンター5席、テーブル39席
Instagram:@toyama_daikokuya28
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手打ちそば 髙野
創業 明治25年
店を代表する「千両そば」(1,800円)。東京からのお客さんが「今度はいつ来られるかわからない」と全部のせを希望し生まれた。天ぷら、ニシン、とろろ、なめこ、玉子、どれも食べてみたい欲張りさんにおすすめ。
4代目店主の髙野義男さん。日々、技術の研鑽と変わらない味を追求する。高野さんの味を求める客のおなかと心を満たす。
百三十三年に渡り守り続けられる味
八尾の街に溶け込む老舗そば店
明治25年から百三十三年の歴史を誇る『髙野』は4代目の髙野義男さんが若くして店を継いで46年が経ちました。名古屋にある料理の専門学校で学び、店に入ってからも修行の日々が続いたそう。そうして創業当時からの味を守り続けています。
口当たりのなめらかさとコシの強さを大切にした麺は、そば粉7、つなぎ3の配合で玉子不使用の平打ち。甘めのつゆとよく合い、この味を求めて毎日通い続けるという常連客もいるほど。トッピングで自分好みのそばにアレンジできるのもうれしい。また、八尾の契約農家から仕入れるコシヒカリで作ったおにぎり(200円)も密かに人気です。最近は県外客や外国人客も多く、日々「おいしかった」の声とお客さまの笑顔を励みに今日もそばを打ち続けています。
1番人気の「肉そば」(900円)はそばつゆで煮た豚肉がそばを覆う。肉の甘みが染み出した、老若男女が好むやさしい味わいだ。
普段は妻・康子さんと夫婦で切り盛りする。そのうしろ姿に阿吽の呼吸で仕上げる歴史を感じる。休日は息子と孫も加わり家族でもてなしている。
こじんまりとした、どこか懐かしさが漂う店内。奥さんが生けた花や店をモチーフにした切り絵が飾られ、落ち着いた雰囲気だ。
手打ちそば 髙野
富山市八尾町西町2232
TEL:076-454-2161
営:11:00~14:00 ※売り切れ次第終了
休:水曜
P:5台
席:テーブル30席
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今年も新そばの季節がやってきました。旬の今こそ味わいたい逸品をご紹介しています。
また、Takt1月号ではそば名人に徹底取材し、豆知識を学んできました。知れば知るほど食べたくなる、奥深い魅力が詰まったそばの世界へようこそ。
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