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【神主さんに聞いてみた④】福を招く、年末年始の過ごし方とは?
2024年はまもなく終わりを告げ、新しい年がはじまろうとしています。 2025年(令和7年)が素敵な1年になるように、今年も神主さんから年末年始の過ごし方について聞いてきました。

■「お神札(ふだ)」とは、なんのためのもの?

これまで、年末年始の過ごし方についてたくさんのことを教えていただきました!
今年もいい締めくくりを迎えるためにしておくことはありますか?

お正月を清々しい気持ちで迎えるために、まずはお家の掃除をしましょう。神棚をお持ちの方は、神棚の掃除も忘れずに。
また、神棚には新しいお神札をお祀りしましょう。

新しいお神札をお祀りすることが大切なんですよね。 前回も教えていただきましたが、改めて、お神札とはなんのためのものなのでしょうか?

そうですね。お家にあっても普段から意識している人は少ないのかもしれませんね。

それでは、質問です!
災難や不運などから自分を守るために身につけるものと言えば何でしょうか?


「健康祈願」や「身体健全」のお守りでしょうか。

そうですね。お願いごとによっていろいろなお守りが思いつきますよね。ほかにも、交通事故に遭わないために、車内に「交通安全」のお守りをおいている方もいますよね。

私も「交通安全」のお守りは車内にいつも置いてます。
事故に遭わないため、急な故障にも遭いたくないですし…。

では、家の安全について考えるといかがでしょう。自然災害や空き巣被害などトラブルが起きないようにと思いませんか?

たしかに、家の安全についてはあまり考えたことがなかったです。家を守ってくれるお守りが欲しいですね。

そうですよね。
最初の質問の答えになりますが、お神札は家の安全を守るお守りになります。大切なお家のお守りですので、お神札やその周辺もこまめにお手入れすることをおすすめします。


さて、年末の掃除や準備を終えるとすぐに年明けになりますね。
来年もいつも通り、初詣に行く予定です。初詣に関して、いくつかの神社をめぐり、お参りするのは良くないと聞いたことがあるのですが、本当でしょうか?

違う神社のお守りをいくつも身につけると神様同士がケンカして良くないというお話がありますが、そのようなことはありません。同様に、いくつかの神社をめぐるのは良くない、ということもありません。
しかし、お参りする際には、順番があるのはご存知でしょうか?

はじめて聞きました!どのような順番でしょうか?

基本的には、身近な神様からお参りするのをおすすめしています。
①お家の神棚
②地元の氏神さま
③そのほかの神社 という順番になります。

どうして、その順番なのでしょうか?

氏神さまが、自身や家族、住まいの地域を守って下さっています。そのため、まずは普段からお世話になっている神さまにお参りしましょう。
ですが、外出先から初詣に向かう場合や友人と集まり初詣に行ってから地元の氏神さまにお参りする場合もあると思いますので、この順番はあくまでも”理想の形”として覚えていただければと思います。
また、お家の神棚と氏神さまへのお参りもとても大事だということも覚えてくださいね。

ありがとうございました!

富山県神社庁のHPでは、『初詣MAP』を公開していますので、ぜひそちらもご覧になってください。
【2023(令和5)年版】


12月中にやっておくべき年末の準備について、教えてください。

まずは、掃除です。お家や神棚をきれいに掃除して新年を迎えましょう。正月はめでたいものですので、清々しい気持ちで迎えることで、「今年一年も頑張るぞ!」と気持ちが盛り上がります。



実は、あまり知られていませんが、神宮大麻には種類があるのです!
大きさによる御神徳の違いはありませんので、神棚の大きさに合わせて選ぶことができます。
2024年(令和6年)は、十二支でもっとも大きく力強い「龍」の辰年。神宮大麻をお祀りして、神さまの恵みや力が授かるように祈りをささげましょう。


正月には、神社で厄祓のお祓いをするイメージがありますが、なぜそのような習慣があるのでしょうか?

昔から、一生のなかで何かと災難が多いとされている歳は、厄年として忌み慎む習慣があります。医学が進歩している今でも、慎重に過ごす年齢と意識されています。
男性は25,42、61歳の3回、女性は19、33、37、61歳の4回です。
これらの年齢を「本厄」として、それぞれの前後の年齢を「前厄」、「後厄」として、用心します。
とくに、男性の42歳と女性の33歳の本厄は、特に気を付けるものとして「大厄」と言われています。

お祓いは、「本厄」にだけするのでもよいのでしょうか?

厄年が3年あるうちの「本厄」の1回だけお祓いをすればよいと、考えている人も多いかと思います。祈願する本人の気持ち次第ではありますが、「前厄」も「後厄」も厄に変わりはありませんので、3年間すべてでお祓いを受けることをおすすめしています。
また、お神札と同様にどこの神社でも良いということではなく、地元の氏神さまでお祓いを受けるようにしましょう。



お祓いを受けるのは、正月の三が日でないとよくないのでしょうか?

正月三が日のうちに受けたいとの思いもあるかと思いますが、2月の節分までを目安として、お参りしやすい時期に済ませれば問題ありません。正月から遅れたからといって、お祓いのご利益がかわることはありませんので。

ありがとうございました!

新年を迎えたら、まずは家の神棚、地元の氏神さまにお参りして感謝の気持ちと今年もよろしくお願いしますという祈りをささげましょう。
神社庁に年末年始の過ごし方を今年も作成し、県内のスーパーやホームセンターにおいてあるのでご覧ください。
また、神社庁HP、Instagramでも日頃から情報を発信しているので、ぜひご覧ください!

【2022(令和4)年版】


まず、新年を迎える前に年末から準備しておくべきことはありますか?

第一に、家の中と外をきれいにすることですね。
一年の区切りとして、年末に大掃除をされる方も多いと思いますが、できれば12月31日ではなく、30日までに済ませておくのが良いとされています。
家をきれいにすることは、年神さまをお迎えするのに大切なことです!
年神さまとは、新たな一年を生きる力と恵み・幸福を授けてくださる神さまです。良い運気を家に迎え入れることができるよう、家はきれいにしておきましょうね。

そのほかにも準備はありますか?

家の神棚のお神札(おふだ)を交換することですね。お神札は、神社の代わりのようなものです。
神社にお参りし、祈りをささげ、神様から力を授かるというのが神社の本質ですが、神社から授かるお神札を通して、お家でも同じことができます。

そもそも、なぜ新年にあわせてお神札を交換するのでしょうか?

昔からお神札には、お家や人々の罪汚れをお祓いする意味合いがあります。
例えば、空気清浄機を想像してみてください。空気中の不純物は、フィルターを通すことで浄化され、きれいな空気が家の中を循環します。そのため、フィルターの手入れ、交換をしなければきれいな空気にはなりません。
それと同様に、お神札を交換することで、清らかな神さまのお力が常に家の中を循環するようになり、心晴れやかに日々を過ごすことに繋がります。
「お神札を受ける→交換する→神社へ行き左義長でお焚き上げする→常に清々しくなる」
このサイクルを毎年行いましょう。

お神札というと、何種類か見かけたことがありますが、なにか違いがあるのでしょうか?

神棚にまつるべきお神札は、基本は「神宮大麻」と「氏神大麻」の2体です。
次の写真の右が「氏神大麻」、左が「神宮大麻」です。
*神宮大麻……伊勢の神宮のお神札です。伊勢の神宮は一つないので、この一種だけです。伊勢の神宮から全国の神社に頒布されています。(※中大麻、大大麻がある)
*氏神大麻(氏神神札)……氏神さまのお神札です。「氏神さま」とは、地域を守ってくださる神社の総称です。地域ごとに、神明宮、八幡社、天満宮など呼び方は違います。ですので、お神札の種類も地域によりさまざまです。



ここで注意しないといけないのが、氏神さまのお神札は、どこでも受けられるわけではないということです!
よく行く神社や、すぐ近くにある神社だからと言って、そこが自分の地域の氏神さまとは限りません。
富山県神社庁のホームページでは、お住まいの地域の氏神さまを検索することができます。宮司さんの連絡先もわかるので、氏神さまのお神札を受ける際には、一度検索してみてください。

ありがとうございました! ちなみに、家に神棚がない場合はどうするのがよいのでしょうか?

神棚がない場合は、お部屋の高い位置に白い紙を敷いてお神札をまつる方法もあります。本棚やサイドボードなどの上が良いか思います。
大切なことは神さまに敬いをもって、お神札をまつることです。形にこだわらずに、そのときできる最良の方法でおまつりしましょう。




最後に、初詣についても教えていただけますか?

初詣とは、一年のはじまりの神さまへのごあいさつです。
この初詣も順番があって、まずはお神札を新しく取り替えた家の神棚にお参りするところから始めます。
次に「氏神さま」へ参拝に行きましょう。
その後、お好きな神社に参拝に行かれても構いませんが、まず氏神さまの神社に行くのがよいでしょう。
参拝は、三ヶ日、遅くとも小正月(1月15日)までが目安です。

ありがとうございました!

今回ご紹介したこと以外にも、正月飾りなど、新年の準備にはさまざまなことがあります。
それらをまとめたパンフレットを、神社庁で作りました。
県内のスーパーのお正月コーナーに置いてあるので、ぜひ読んでみてください!
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