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暮らし Life

【神主さんに聞いてみた】「夏越の大祓」についてもっと詳しく教えて!



令和7年もあっという間に半年が過ぎようとしています。うっとうしい梅雨、これから迎える暑い夏を乗り切るために「夏越の大祓」に参列し、心身をリフレッシュさせましょう! 今回も県内神社の宮司さんからお話を伺ってきました。神社庁教化広報部兼、伊勢玉神社宮司の鈴木瑞麿さんに深堀りしていただきます。

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伊勢玉神社宮司の鈴木瑞麿さん 伊勢玉神社は社殿横の大きな絵馬が特徴の一つ。

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一昨年・昨年の記事も振り返りながら、改めて夏越の大祓はどのような神事でしょうか?


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目に見えないツミやケガレを祓う神事です。

 モノは汚れると交換すればよいのですが、我々の身体はそうはいきません。 例えばノートに余白がなくなれば、新しい物を購入しますよね。代わりになるものがなく一冊しかない場合は、間違った箇所や汚れを改めるために消しゴムや修正液を使う必要があります。しかし、これでは新品同様とは言えません。 

これを新品同様に改めることができるのが「夏越の大祓」と思ってください。


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たしかに、自分の身体は一つしかないので大切にしたいです。 詰め込みすぎるとパンクしちゃいますし、ノートでいうなら消さずに上から書き込んだら何が何だか分からなくなりますね…。 

心身をリセットするにはどうしたらいいでしょうか?


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夏や以降の季節を迎えるために、心身を新品同様にする神事が「茅の輪くぐり」です。 

茅の輪の話も過去にしましたが、茅の輪くぐりは別名「胎内くぐり」とも呼ばれ、氏神さまの「胎内(子宮)」を象った茅の輪を「くぐる」ことで、「生まれ変わる」といわれ、象徴的に「浄化」するなどの意味が込められています。

 私たちは地元を守る神様、通称で氏神さまと呼んでいますが、その氏神さまから命を授かるので氏神の子、いわゆる「氏子」となります。 ですから、氏神さまの胎内をくぐることで、生まれたての真っ新な赤子の状態になるわけです。


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伊勢玉神社での「夏越の大祓」の様子

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茅の輪にそんな意味があったとは驚きです。 こんなに大きな茅の輪をくぐれば、まさしく生まれ変わったような気持ちになりますね!


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当社(伊勢玉神社)の胎内くぐりは、江戸時代から続く神事で、茅の輪は県内でも最大級の直径3mありますので、神様の大きなお腹から生まれ変わるんだと思っていただければ!


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宮司が一日かけて作る県内最大級の茅の輪

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自分を守ってくださる神様とつながりを感じることでより一層清らかな気分になりますね。 ほかに特別なことはありますか?


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神社にもよりけりですが、茅の輪くぐりをする際に和歌を詠む社もあります。


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”水無月の 夏越の祓する人は千歳の命 延ぶというなり” (拾遺和歌集) 

 水無月(6月)に夏越の祓をする人は、千年も命が延びるということだ。という意味で、これにより心身を浄化することで、健康になり長生きすることを祈ったんでしょうね。 

当社では先に和歌を詠んで茅の輪をくぐることをおすすめしています。


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歌は当時の世相も反映されますから、昔から健康に気を使っていたのですね。 昔の人々の願いにも思いを馳せながら、神事と向かい合うことでより心身を清められる気がします!


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ぜひ、お近くの神社の「夏越の大祓」に参列し、心身ともにリフレッシュしてほしいです! 夏越に限らずとも、神社は境内すべてが神様の恵みを感じる場所ですから、お参りすると共に境内も散策して、神様・自然の力も感じてほしいです。


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お話を聞くだけではもったいないですね! 夏の季節、天気のいい日は散歩がてら境内もゆっくり回ってみます。


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社殿の右奥にそびえる榎(エノキ)

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ぜひ、お気軽にいらしてください!

 神社庁では、令和7年度に夏越の大祓が執り行われる県内神社をグーグルマップで見られるように掲載してますので、ご参考にしてください。


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本日はありがとうございました!


\今回の神社/
伊勢玉神社

所在地:富山県氷見市伊勢大町1-9-23 
駐車場:6台 
ご朱印の受付時間:9:00~17:00
 
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人形守り(向かって右)大祓で自分の名前を書いた人形をなでることで、ツミやケガレを移し、水に流す。 お神札(向かって左)大祓参列者に授与するもの 
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越中国司の大伴家持が創建した神社。「五七の桐」の印が捺されている。


【令和6年版】


 令和6年も折り返し地点を迎え、気づかないうちに疲れがたまってきている方人も多いのでは?
 今回は体調や気持ちをととのえる神事、「夏越の大祓」について、昨年よりももっと詳しく、二宮正匡さんにお話を聞いてきました。

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今回お話を伺ったのは『神度(かんとの)神社』宮司の二宮さん。※撮影場所は「日吉神社」

■「夏越の大祓(なごしのおおはらえ)とは?

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去年インタビューさせていただき、夏越の大祓とは清浄な心身に服するために行われる6月末の神事だということを知りました。改めて大祓とはどのような神事か、もう少し詳しく伺いたいです!


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カラオケへ行って大声で歌ったり、好きなものを思う存分食べたりなど皆さんそれぞれのリフレッシュ方法をお持ちだと思います。しかし、これを例えるなら、墨汁に水を注いで薄めているだけであって、完全に透明な水にはなっていない状態です。

綺麗な水にするためには、一旦、器の墨汁をきれいに洗い流さないとダメですよね?大祓は器に残った墨汁を洗い流し、心身を清浄にすることを目的とした神事です!


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たしかに、神社にお参りして神様からパワーをもらったとしても、穢れが残っていると効果が薄くなる気がします……。


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鬱陶しい梅雨、暑い夏を乗り切るためにもお近くの神社で大祓を行っている場合はぜひ参加してほしいです。


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昨年お伺いした時は、大祓はアクティブな神事だという印象を持ちました!


■祝詞を読む

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そうですね、ほかの神事や祈願と違って、参拝者の方が自ら行動する点が挙げられると思います。茅の輪くぐりもそうですし、祝詞も読むんですよね。


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大祓詞という詞をみんなで読み上げます!

読めば読むほど効力が増すといわれていて、自分はもちろん周りのことも祓い清める詞で、何が罪穢れでどのようにしたらその穢れが祓い清めるのかが書かれたものです。神職が生涯の中で一番読む詞かと思います!


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神主にあわせて参加者も一緒に祝詞を読み上げる。

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一般の人も読めるものなんでしょうか?


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慣れている人の中には読まれる方もいますね!でも、初めての方や慣れていない方からすると難易度が高いため、目で追う程度でも構いませんので安心して参加してくださいね!


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それは助かります!そういえば昨年は、夏越の大祓で何をするか理解できたのですが、そもそもなぜ茅の輪を使っているのでしょうか?


■大祓の起源とは?

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はい、色々な形式が混ざって現在の大祓の形に辿り着いたのですが、ひとつ有名な話の中に、蘇民将来という逸話があります。


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蘇民将来?どんな逸話ですか?


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あるところに裕福なコタンショウライと貧しいソミンショウライという兄弟がいました。

スサノオノミコトが旅の途中に一夜の宿を求めた時、コタンは宿泊を断り、それをみて心配をしたソミンは快く寝泊まりすることを受け入れたそうです。

数年後、スサノオノミコトはソミンのもとを再び訪れ、悪疫が流行った場合は、茅で輪をつくり、それを腰につけておけば免れると教えてあげました。また、ソミンだけではなく、その子孫も守られるように、「蘇民将来子孫也」と書いた護符もつけておきなさいと伝えました。

やがて、悪疫が流行った時に、ソミンはその教えを守り悪疫から逃れることができ、子孫が栄えました。一方、コタンの一族は滅びてしまったといわれています。。


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この腰につける茅のなごりとして、茅の輪くぐりといわれているものへと変化しました。

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「情けは人の為ならず」ということですね!


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人間、謙虚な心が大事ですね。また、腰につける茅のなごりとして、茅の輪守りを授与している神社もあります。

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日吉神社の茅の輪守り。

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ありがとうございます、夏越の大祓についてより詳しくなれた気がします!


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大祓でリセットすることも大事ですが、神社は神様からパワーを授かる場所です。境内全部が神域でご神木や様々なところに神様を感じる場所があると思います。最近の言葉だとパワースポットですね。 神様にお祈りすると同時に、その神社で神様を感じるスポットを探すのも面白いかもしれませんよ!

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本殿横にそびえ立つ大ケヤキ。樹齢は約1300年。
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日吉神社の大ケヤキもその一つですね!


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はい、そうですね!日吉神社へお参りの際は、こちらの大ケヤキからもパワーをもらってほしいです。県内にもたくさん神社はありますが、身近な神社が皆さんを守ってくれる大事な神様です。「神社庁サイト」で自分に縁のある神社を調べられるので、まだご存じのない方は検索してみましょう。




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また、夏越の大祓を行っている神社をグーグルマップで見れるように制作しましたので、お近くの神社で行っている場合はぜひ参加してほしいです。

 

・・・・・

【昨年(令和5年)版】


2023(令和5)年も半年が経とうとしています。長雨と暑さで体調管理にも気をつけたい時期ですね。

昨年末に好評だった「神主さんに聞いてみた」お正月の過ごし方。今回はその第2弾として、富山県神社庁奉賛部会の横越智子さんに「夏越の大祓」について、お話を聞いてきました。

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富山市宮保の『熊野神社』宮司の横越照正さん(左)権禰宜の智子さん(右)。


■「夏越の大祓(なごしのおおはらえ)」とは?
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「神社」と聞くと、年末年始の初詣が思いつきますが、夏にも何か行事があるのでしょうか?

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初詣の人出が多いので、それ以外に神社で何をしているか分からない人も多いかもしれません。しかし、基本は年末年始に限らず一年中開いていて、誰でもお参りすることができます。

そして、実は夏にも大切な行事があるんです!

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夏にも行事があることは知りませんでした!

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「夏越の大祓(なごしのおおはらえ)」という行事です。

まず「大祓」というのは、半年間の穢れを神様の力によって祓い清め、清浄な心身に復するというものです。6月末日に行われるものを「夏越の大祓」、12月末日は「年越の大祓」と呼ばれています。


■「夏越の大祓」では何をするの?

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6月の終わりごろになると、神社の前に草で作られた大きな輪っかがあるのを見たことはありませんか?

実は、それが「夏越の大祓」に関係するものなんです。

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草の輪っかは、近くの神社で見かけたことがあります! 穢れをお祓いするのはなんとなくわかりましたが、実際にどのようなことをするのですか?

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大きな輪っかをくぐることが一つです。輪っかは茅で作れていて「茅の輪(ちのわ)」と言います。くぐり方は神社によって多少違いがありますが、∞を描くように左まわり・右まわり・左まわりと3回くぐります。


もともとは、小さい茅の輪をお守りのように身に付けることで疫病から逃れられるとされていました。時代が進むにつれて、今のような大きな輪っかになって、くぐることで参拝者は穢れを清め、疫病から守られるとの考えに変化しました。


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茅の輪をくぐる様子。くぐり方は神社によってさまざま。(写真提供:熊野神社/富山市)

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さらに、人の形をしたお神札で穢れを清めます。

神社からの案内で「人形」という紙が送られてきたことがありませんか? それが「夏越の大祓」に使うものです。

これを手に持って、全身を撫でることで、紙に自分の穢れを移します。その後に紙を水に流したり、焼納したりします。穢れが移った人形が消えることによって穢れも消えると思ってください。

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人の形をしたお神札で全身を払い、穢れを移す。

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穢れが移った人形を川に流す。

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人形を燃やして収める神社もある。(写真提供:十社大神/射水市)

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ほかには「切麻(きりぬさ)」と呼ばれる紙と麻を混ぜたものをまいたり、「大祓詞(おおはらえのことば)」という、罪穢れがどうしたら祓い清められるかが書かれた詞を参列者で読み上げたりします。

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切麻は、大麻(おおぬさ)と呼ばれるお祓いの祭具と同じ「祓(はらい)」の役割をもつ。
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お祓いというと座っているイメージがありましたが、意外とアクティブな神事ですね!

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年末や季節の変わり目に大掃除をするようなもので、普段は掃除をしないところ、見えないところまで念入りに掃除するのが「大祓」なんです。

掃除をしないところはどんどん汚れが溜まってしまいますし、この掃除を疎かにすると、健康面でも精神衛生面でもよくありませんよね。

住まいだけでなく、半年に一度の節目で自分自身の汚れたところもきれいにしようと思うことが大切です!

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ありがとうございました!

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今回、『富山県神社庁』では「夏越の大祓」を行っている県内の神社のMAPを作りました。近くに住んでいる人は、この機会に「夏越の大祓」を受けて清々しく、うっとしい梅雨や夏を乗り切ってはいかがでしょうか?

また、これ以外にも地元の神社(氏神様)も私たちに元気を分けてくれる神様です。

「氏神検索」では、氏神様を調べられるので、ぜひお参りしてみてください。


<リンク>

DATA

富山県神社庁

住所
富山市諏訪川原1-10-21
電話番号
076-432-7390
HP
https://toyama-jinjacho.sakura.ne.jp/

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