毎日の生活に欠かせないスマホ 長時間使用で増加するスマホ老眼の原因・対策

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毎日の生活に欠かせないスマホ　長時間使用で増加するスマホ老眼の原因・対策

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2020.05.03 更新

毎日の生活に欠かせないスマホ　長時間使用で増加するスマホ老眼の原因・対策

　毎日の生活に欠かせないスマートフォンなどの情報携帯端末。「眼のピントが合いづらい」と感じたら、「スマホ老眼」かもしれません。今回は「スマホ老眼」についての詳しい情報を、富山市『富山西総合病院』の長田裕子先生にお聞きしました。

スマホなどの長時間使用で

増加するスマホ老眼

　眼は、遠くを見たり近くを見たりと、対象物との距離に応じて自動でピントを合わせています。老眼は、加齢によって眼のピントを変える力が衰えることで起こり、近くのものが見えにくくなる状況をいいます。「スマホ老眼」は、スマートフォンなどの携帯情報端末を長時間使用することで眼が疲れ、老眼のような症状が起きるもので、20〜30代をはじめ、10代にも増えています。

　主な症状として、スマホなどを見たあとに遠くのものを見るときにピントが合わない、手元が見えにくい、夕方になるとものが見えづらいなどがあげられます。ただし、老眼とは違い、症状は一時的なことが多く、疲れ具合によって視力が安定しないという特徴もあります。

眼のピントを調節する

毛様体筋の疲労が原因

　眼のピント調節に関係しているのは、カメラのレンズのような働きをする水晶体と、その周りの筋肉である毛様体筋です。眼は、毛様体筋を緩めたり縮めたりして水晶体の厚さを変え、対象物にピントを合わせています。

　老眼は、加齢によって水晶体が硬くなったり毛様体筋が衰えたりして眼のピント調節がスムーズにできなくなった状態です。一方、スマホ老眼は、スマホなどの小さな画面を見続けることで、毛様体筋が凝り固まってピント調節が上手くできなくなった状態をいいます。眼はもともと近くを見ると疲れやすい構造で、至近距離でのスマホの長時間使用によって負担がかかり、毛様体筋の疲労を起こしやすいのです。

長期化すると近視に

ブルーライトも負担

　スマホ老眼は一時的なもので、眼を休めれば症状は改善します。一晩寝たら、翌日には元の見え方に戻っているのが通常です。ただ、毛様体筋の緊張状態が長く続くと、肩や首、頭部の筋肉の凝りへと連鎖していきます。また、スマホ老眼が長期化すると、老眼ではなく、近視化する傾向にあります。人の身体は、環境に順応するようにできているので、スマホやタブレットなどを至近距離で見続けるうち、近くに焦点が合いやすいように眼球を変化させて対応しようとするのです。

　さらに、デジタルディスプレイから発せられるブルーライトは紫外線に近い強力なエネルギーをもっており、眼や体に大きな負担をかけるとされています。

適度に眼を休ませるなど

使い方の見直しを

　治療の基本は眼の休息です。スマホやパソコンなどの長時間の使用は控え、１時間作業を続けたら10〜15分は休憩し遠くを眺めるようにしましょう。また、画面の明るさを調整する、画面との距離を保つ、ブルーライトカットのメガネを使う、就寝前は使用を控えるなど、使い方を見直しましょう。

　また、毛様体筋の収縮をサポートする点眼薬や目のうるおいを保つ点眼薬など、目の状態に合わせた点眼薬を使用することも一つの方法です。スマホ老眼を放置すると、眼の老化や視力の低下はもとより、身体全体の不調や疾患を招くおそれもあります。「たいしたことない」と放置せず、眼の異常を感じたら早めに受診しましょう。