【家づくりレポート】自由設計で耐震等級3を実現 エコな長期優良認定住宅

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【家づくりレポート】自由設計で耐震等級3を実現　エコな長期優良認定住宅

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2025.01.22 更新

【家づくりレポート】自由設計で耐震等級3を実現　エコな長期優良認定住宅

　家を建てるときに気になる「耐震性」「断熱性」「気密性」を備えた高性能住宅。なかでも、高性能で省エネルギー性に優れた「長期優良認定住宅」は、税金や住宅ローンなどお金の面での優遇がありますが、耐震性の基準で求められる”耐震等級3”が、間取りや設計の制限につながる場合もあるので「なんだか難しそう…」と思っている方もおられるかもしれません。

　南砺市にある『城宝工務店』は、長期優良認定住宅の耐震性の申請に必要な”木造住宅の構造計算”を自社で行う、富山県内でも希少な工務店です。そのため、“耐震等級３”でありながら、自分たちの暮らしやすい間取りの実現も可能。今回は、同工務店が請け負った、2023年完成の「長期優良認定住宅」の家づくりレポートから、高性能住宅の秘密を探ってみましょう。

今回のお宅　南砺市・Ｙ邸

【家族構成】ご主人と奥様　【工法・構造】木造軸組在来工法・2階建て　【建物本体工事価格】　2,501～3,000万円　【建物本体坪単価】約85.71万円　【敷地面積】 204.86㎡（約61.84坪）　【施工面積】 100.61㎡（約30.37坪）　【延床面積】 1階49.27㎡（約14.87坪）／2階48.03㎡（約14.50坪）／合計97.30㎡（約29.37坪）

【建物本体工事価格内訳】基礎工事／木工事／内装工事／屋根工事／板金工事／外壁工事／左官工事／タイル工事／ガラスサッシ工事／内部塗装工事／外部建具工事／内部建具工事／設備工事／電気設備工事／雑工事／器具

【別途工事・設備費用】合計：約220万円　内訳：外構工事・地盤改良工事・カーポート工事

●耐震等級とは

地震に対する、構造躯体の損傷（大規模な修復工事を要する程度の著しい損傷）の生じにくさを１～３の等級で示しています。等級１は、建築基準法で定められている最低限の耐震性能。等級２は等級１の1.25倍、等級３は等級１の1.5倍の耐震性能。

●長期優良認定住宅とは

長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられた優良な住宅の建築や維持保存に関する計画を「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」に基づき認定された住宅。大きく分けて５つの措置が講じられている住宅のことをさし、申請には構造計算書など多くの書類が必要ですが、住宅ローンの金利引き下げや税の特例措置、地震保険料の割引などのメリットがあります。

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暮らしやすさを追求した高性能住宅

　ブルーとゴールドのツートンカラーが目を引くスタイリッシュなＹ邸。LDKは、シンプルなデザインの中に対面式キッチンやリビング階段が設けられ、どこにいても家族の温もりが感じられる空間になっています。また、家中どこにいても心地よく過ごせる工夫の一つに、テレビボードの下に設置された床下エアコンがあります。夏は冷気、冬は暖気を、壁の内側も通して家中に循環させることで、上下階の温度差を解消。これは、断熱性・気密性が高い高性能住宅と組み合わせた、四季を通して暮らしやすい空間づくりの技ですね。

LDKの天井には、吸音性・調湿性に優れた「ロックウール吸音板」を使用。話し声や物音が響きにくい”音”の快適空間も演出。（間取図内／Ａ）

リビングのテレビボードの下には、快適な室温を作り出してくれる”床下エアコン”を設置。扉を閉めるとエアコンの目隠しも可能。（間取図内／Ｂ）

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家計にやさしい、高断熱・高気密住宅　

　こちらのお宅は、お施主様のご両親が「納屋を壊して、その場所に家を建てたい」と『城宝工務店』に相談したことから家づくりがスタート。ご家族の要望を叶えた間取りでありながら耐震等級３を実現し、断熱性・気密性が高く、国の補助金や優遇制度、住宅ローンでのメリットもある「長期優良認定住宅」を建てることができました。

　2024年1月以降、”住宅ローン減税”を受けるには”省エネ基準”への適合が必須となりましたが、こちらのお宅は竣工時の2023年時点でその基準を大幅にクリア。断熱性を表すUA値は0.38、気密性を表すC値は0.1と断熱性・気密性ともに高く、建築物の省エネルギー性能を表示する第三者認証制度BELS （ベルス）の最高ランク5つ星を獲得しています。Ｙ邸では太陽光パネルを設置しませんが、光熱費はＹ邸と同じオール電化の一般的な家庭と比べて４～５割ほど安く、2023年8月の電気代は約9,000円。高性能住宅は家計にもやさしいですね。

UA値（外皮平均熱貫流率）

家から外へと逃げる熱の量を示した数値。UA値が低いほど断熱性能が高い。次世代省エネ基準では、0.87以下を目安とされている。

C値（相当すき間面積）

家にどのくらいすき間があるのかを示した数値。C値が低いほど気密性が高い。

料理をしながら会話を楽しめる対面式キッチン。作業中の手元を隠せるように腰壁を設けているのもポイント。（間取図内／①）

右：2階には、手洗い専用スペースを設置。あえて鏡をつけずシンプルに。（間取図内／②）

左：玄関は、シューズクロークとしっかり仕切ることで、いつもすっきりときれいな状態をキープ。（間取図内／③）

2階の寝室。隣のウォークインクローゼットには、オプションではなく標準仕様で造作棚を設置（間取図内／④）

右：2階リビング階段（間取図内／⑤）

左：ダイニングの吹き抜け（間取図内／Ｃ）

ダイニングの吹き抜けとリビング階段は、心地よい室温づくりのための空気の循環にも大活躍。

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相続や補助金などあらゆる面でもサポート

　「税金に関する知識を持たない人は、お客様の家を請け負ってはいけない」と話す代表の城宝透さん。住宅ローンを組むためだけでなく、いつまでも安心して暮らせるために、生前贈与や相続のアドバイスも行い、家族間では話しづらいことも、城宝さんが間に入ることで話し合いがスムーズに進んだそう。また、ZEHレベル基準を満たす新築住宅を対象とする「こどもエコすまい支援事業」や、県産材・市産材を使った家づくりの支援事業など、できるだけ補助金を活用。同工務店の負担が増えても、ご夫妻の負担を減らすことを大切にしている。

　城宝さんは、「末長く快適に安心して暮らしていただけるよう、技術や知識を生かして高性能な長期優良認定住宅を作り上げていきました。これからは家守りとしてサポートさせていただきます。」と語る。

　建てた後もずっと守っていく「家守り」が同工務店の信条。大きな安心感が、住む人の未来を明るく照らしていく、すてきな家づくりストーリーをうかがうことができました。

富山県産材・南砺市産材を、構造材や破風、天井のはめ板などに使うことで、補助金を活用。見た目に美しく、経済面にも優しい。（間取図内／Ｄ）

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Ｙ邸の間取図はコチラ

●仕上げ部材【外部】

［基礎］モルタル刷毛引き　［外壁］角スパンドレル　［屋根］和瓦葺き　

●仕上げ部材【内部】

玄関［床］ WPCフロア　［壁］ビニルクロス　［天井］県産材羽目板張り　

LDK［床］ WPCフロア　［壁］ビニルクロス　［天井］ロックウール吸音板

和室［床］置き畳　［壁］ビニルクロス　［天井］ロックウール吸音板

●設備機器

［キッチン］タカラスタンダード　［洗面化粧台］パナソニック　［システムバス］クリナップ　［便器］ TOTO

設計・施工　城宝工務店

DATA

(株)城宝工務店

住所: 南砺市高堀330
電話番号: 0763-22-4115
営業時間: 8：00～18：00
休日: 日曜
HP: http://johokoumuten.o.oo7.jp/
備考: 【創業】昭和22年
【取扱工法・構造】木造軸組在来工法

【品質保証・アフターフォロー】
長期優良認定住宅では、30年間のメンテナンス計画を立て、10年ごとの点検が義務付けられていますが、当社では5年おきに点検・メンテナンスを実施。費用の積み立て計画のご相談も可能。