当社は医薬品・化学メーカーや大学、官公庁の研究機関で使われる理化学機器、研究設備、バイオ機器、分析機器等の専門商社です。一般の方にとっては馴染みが薄い機器・装置ばかりかもしれませんが、医薬品・化学業界の研究や製品開発には必要不可欠なものであり、スムーズな物流と手厚いアフターフォローをもってサポートしています。

　フラスコやビーカー、試験管の製造販売からスタートして60年余り。時代の変化は著しく、最先端テクノロジーを駆使したAI・DX化、グローバル化、そして世界基準の厳しい品質管理や計測・分析が求められています。当社は国内外メーカーの多様な機器・装置を取り揃え、地元企業・研究機関のニーズに迅速に丁寧に対応することで、信頼と実績を重ねてきました。

　専門用語が飛び交い戸惑うこともあるかもしれませんが、日々学び身につけようとする姿勢があれば大丈夫です。世界や未来に向けて最先端の研究や新薬の開発に挑む「薬都とやま」の企業や研究機関をしっかりと支えていくことが我々の仕事であり、社会貢献につながっていくと考えています。

代表取締役社長　黒川 伸一

　理化学機器やバイオ機器、計測・分析機器を中心に、研究用設備や産業機器、半導体組み立て機器などの卸販売からアフターフォローまでを手がける『黒川製作所』。「お客様のためになる仕事」を理念とし、県内の医薬品・化学メーカー、大学、官公庁の研究機関など、およそ２００もの主要取引先から厚い信頼を寄せられている。社名の「製作所」は創業当時、ビーカーやフラスコなど理化学ガラスの製造販売をしていたことに由来。最新の理化学機器をはじめ豊富な商品を取り扱う現在は「製作所＝WORKS（ワークス）」として、医薬品・化学業界の発展と進化をバックアップする「縁の下の力持ち」的な存在といえる。

　顧客ニーズに沿った機器サービスを提案するなかで近年力を入れてきたのが、販売した機器の点検やメンテナンス体制の強化だ。特に医薬品業界では成分測定に厳しい分析表示が求められ、分析機器には定期的な保守点検が義務付けられている。その点検や不具合が生じた際のメンテナンスはこれまで首都圏などにある各メーカーの支社・支店が頼りだった。そこで、同社の技術者が各メーカーのライセンスを取得。地元企業の機動力を生かすとともに、県外との往来が難しかったコロナ禍でもその強みが発揮され、取引先の安心感や社の信頼度向上につながった。

　取り扱っている商品の性質上、理系出身の社員が多いと思われがちだが、意外にも文系社員が8割と多く、黒川社長もその一人だという。日常生活では接することのない装置や機器、難しい用語や商品名を覚えることにハードルの高さを感じる人もいるが、黒川社長は「大切なのはこの仕事をやりたいという気持ち。先入観がないぶん、かえって吸収しやすいこともある」と笑顔で語る。社内外の研修やＯＪＴなどの教育制度が充実しており、役職や部署の垣根を越えて気軽に相談できる風通しのよい社風が、仕事への前向きな気持ちを後押ししてくれる。さらに、研究開発の第一線に立つお客様やメーカー担当者から教えていただくことも多いという。それも、60余年にわたり地道に培ってきた『黒川製作所』の信頼と実績の表れといえるだろう。

　分からないことを聞いたり、学ぼうとしたりする姿勢はどの業務においても大切なスキル。厳しい競争下、第一線に立つ顧客の高いニーズに応えていくためには、そうしたスキルに加えて、コミュニケーション力を磨き続けて「お客様の先を行く提案ができるようになれば」と黒川社長。自ら販売に携わった機器を使って新商品が出ることの喜びを知るからこそ、社員たちの成長に期待を寄せる。そして、富山から世界へと羽ばたく研究開発の一助であることに誇りを持ち、未来への道を拓いていく。