加藤美由紀

岐阜県出身のアナウンサー、ナレーター。富山テレビ放送「Youドキッ!たいむ」などで活躍。2011年4月より拠点を東京に移し、活躍の幅を広げている。シグマセブンe所属。

……とある部屋から

このエッセイをベッドで寝そべって書いている。そういうとみなさんから「なんて怠け者だ、加藤!!」とお叱りを受けるかもしれない。今回はお許しを……。

 現在、私は入院中である。今まで怪我や病気もなく、元気だけが取り柄の私が入院! それだけで、この現状に舞い上がってしまった。入院当日、私の荷物を見た義父が「これから海外旅行にいくようだな」というほど、ありとあらゆるものを詰め込んだ。箸やコップやココアや紅茶。さすがに海外ではないので、味噌汁は入れてないが。
 今回は、切迫早産で入院。家で安静にしない私を先生が見抜き、安全を第一に考えての入院となった。私はお腹の張りがひどかったのだが、それに全く気づかないという鈍感さであった。おまけに妊娠糖尿病と診断され、さらにハイリスク妊婦となった。

 入院して2ヵ月。最初は個室で過ごした。その後は大部屋で過ごしている。昔、住んでいた女子学生寮を思い出す。まわりが女性ばかりだから、とくにそう感じるのかもしれない。病院食も学食みたいだし、シャワーも順に予約して入る、洗濯機も順番、そんなところが寮みたいだ。懐かしくもあり、新鮮な病院の環境に、私の好奇心は刺激された。
 大部屋は、8人部屋。隣の人との境がカーテンひとつ。耳だけが研ぎ澄まされていく。同じ「妊娠」とはいえ、双子であること、お腹の張りがある、頸管長が短い、つわりなど、さまざまなリスクを抱えている人がいるのに驚いた。「夫婦の形」もいろいろだ。妻のために6粒のイチゴを10分以上も丁寧に洗っている夫がいた。また、病室から手を繋ぎながら歩くアツアツ夫婦や、毎日、面会にやってくる献身的な夫(今は無職らしい……)までいた。夕食時間になると、各家庭(カーテンで仕切られた世界)から楽しそうな会話が聞こえてくる。昔の長屋のような筒抜けの環境なのだ。それを聞きながら一人、ニヤニヤしながら食事を食べる私。決して変な奴ではない。

 入院してわかったことは、健康であることのありがたさ。まわりの人のどんなサポートがうれしいかなど、自分が体験してみて感じたことがたくさんあった。もちろん、気持ちがブルーになることもあったが、それをどう乗り切るかも自分なりに考えて答えが見つかった。私の場合は病室の飾り付けときれいなお花と新しい妊婦の友だち。
 また今回、主人は独り暮らしを強いられたのだが、それも、これから始まる新生活のリハーサルになったのではと思う。子供が産まれ、主人のサポートが必要になる今後、入院はいろんなことを私たちに学ばせてくれた。

この生活は、もう少し続く……。次なる楽しみを見つけながら、毎日、ベッド上でゴロゴロ安静にして過ごす加藤であった。
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病院でのお友達
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ごはんがすすむ差し入れ!
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お花に癒された♪

★編集室より
加藤さんは無事出産され、元気に育児に励んでおられます!
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